時速60kmの旅

400ccシングルと一緒に旅に出た。そこで出会った、景色、食事、人を記録した。

北海道ツーリング 5日目

8月20日(日) フェリー(復路)


目覚ましを7時にセットしていたが、8時30分に起床。
朝ごはんを食べるために、食堂へ行った。

ホテルの朝食を思わせる、贅沢な食事だった。


船の甲板に出て、旅の記憶を留めておくためノートに記録していた。

すると、同じテーブルに180cmはあるかと思う大柄のライダーが
ビールと乾き物を手に、「隣いいですか?」と話しかけてきた。


「どうぞ」と応えると、旅の話をされた。
その大半が、旅で出会った人との話だった。


話していて共感できる部分が多く、青い海を見ながら特別な時間だった。
その方は、6泊6日でライダーズハウスを回りながら、
北海道を一周されたらしい。


中でも印象的だったのは、根室での話。
多くの根室に住む方は、先祖が国後島にあるらしく、両親のお墓でさえ
今は行くことができない状況。


本土に暮らす我々にとっては、経済的な問題でロシアと領土交渉
していると考えがちだが、もっと切実な問題があったことを知る。


また、宗谷岬でのライダーズハウスでは、
2800円でウニ丼付き。飲み放題だったと。
確か「漁師の店」と。


ただ、誰もウニ丼は注文せずに、店の親父に会うために来るらしい。
夜になると、お酒の飲めない人も輪に加わり、偶然出会った仲間同士で
一夜を楽しく過ごす。それが、宿泊の目的。とてもロマンチックで
思い出深い時間だと思った。


そして、ライダーズハウスには、安い分、2ヶ月も3ヶ月も
居着いてしまう人も多いらしい。当たり外れはあるが、
共同生活をし、一人当たりのスペースが限られる分、出会いが
多いと話してくれた。


帰りは、敦賀港から愛知県・豊田市まで帰られるようで、
お互いの安全を誓った。



風呂に入った。
行きとは違い、露天風呂があり、とても気持ちよかった。
その後は、読書にふけった。


下船する19時頃に、新日本海フェリー特製カレーを頂いた。

とても美味しかった。


そして、いよいよ下船。しかしライダーの順番は最後に。
20時20分には港に着いてたものの、下船時間は21時を回っていた。


そこから2時間余り、米原を経て京都に到着。
時刻は23時30分だった。


この5日間の旅は、私にとって特別な価値観を与えてくれた。
日常の生活から離れて、出会ったことのない景色、食事、人に触れ、
小さなことで悩んで前に進めなかった自分がどうでもよくなった。


前を向いて進むことで何かが変わる。人の助言を受け止めることで
新しい世界が待っている。北海道の大地と人が教えてくれた思い出を胸に
これからの人生を豊かにしていきたい。


最後になりましたが、旅の出発前、途中に電話を、そして
いつも応援してくれる私の大切な人に、感謝の気持ちを伝え、
旅行記を締めくくりたいと思います。


読んでいただき、ありがとうございました。